LAVA "Aile Alegria" Commentary of Tracks by LAVA


001: Aile Alegria feat.Jeanne Bastos

このレコーディングを始める前にCafeと雑貨屋だけで販売される。
Instrumental TrackだけのAlbumを依頼され、制作中にまず悩む。
”これはちょっと違う”。試行錯誤する中、
井の頭線で池ノ上から永福町を目指して
乗車中いきなりこの曲"Aile Alegria"が空から降ってくる。
それもポルトガル語で。
<ポルトガル語がどーゆうものなのかは
詳しくは分からないがそんな感じだった。>

全身そのメロディーに包まれた状態で何十人もの人に電話をして、
色んなことを中断して色んなことをまた始めた。
スリーヴデザインはSoul BossaのAlbum等を手掛ける
デザイナー小山登さん。
彼はまるでその事実を知っているかのように、
素晴らしい色をした空の写真の
ジャケットを僕に作ってくれた。自然に生まれたメロディーが
自然の中で育っている力強さを僕はこの曲に感じる。
002: Vem Para Ficar feat.Wilma de Oiveira & Jeanne      Bastos

Album"Aile Alegria"の中心と言える
ブラジル人女性ヴォーカリスト、
ビューマとジャニ。このふたりを贅沢にも同時にコーラスと
ヴォイスで起用して、買ったばかりのProtoolsを
こねくりまわし何度もG4をフリーズさせながら作った曲。


003: Ride On A Tube<To Meet Mr.Gus>
    feat.Mickael Harris


2年程前ロンドンに行った時、Reinforcedという
エクスペリメンス系レーベル・HERO等で有名>
のレーベルマスター、ガス氏を訪れ強引に自分のDemo Trackを
聞いてもらった時の心境を音にしてみたもの。

公衆電話でガス氏にTelしてから地下鉄に乗り込み、
そのレーベルに向かうまでのハラハラした感じを
友人のグラフィックデザイナー、
マイケル. ハリスに駅名を言ってもらうことで表現してみた。
<彼もそんなことしたことないから
何ともナーバスな感じがよくでてる。>

その強引なプレゼンの結果はというと、
僕の作ったものとレーベルの方向性が違うので
レコ−ド何枚かもらっておしまい。
でもガス氏は本当に素晴らしい人で
今度また会いに行きたいと思っている。
004: Sing feat.Wilma de Oliveira

先に触れたヴォーカリスト、ビューマの声を聞いて作った曲。

彼女に歌を録音してもらった時は
僕が弾く簡単なピアノだけをバックに歌ってもらい、
あとからRhythm Trackを付け加えた。
その方法によって生じた若干の歌のもたれかたが
僕にはとっても気持ちがいい。


005: Moody Journey feat.Abou Diallo

Cafeと雑貨屋Albumの為に作ったTackを
remixして表現を少し変えてみた。
トランペットは元オルケスタデラルスの福本氏。
彼が本番テイクの前に練習して吹いていたものを採用した。

リラックスした感じのペットが心地よい。
ヴォイスは西アフリカのマリ共和国出身のアブー。
彼のしゃべるフランス語は何故か僕を
遠い所に連れていってくれる。セタジャメ
006: Vem Para Ficar<f8 Spiritual remix>
    feat.Wilma de Oliveira


もともと"Vem Para Ficar"のメロディーラインは
ここで歌われているものが先で、
M-2に入っているアレンジでは合わないので、
さらにアレンジしてM-2の素材を少し使い
remixしたややこしいもの。f8は自宅&Studioが8階だから。
イントロで使っているバルタン星人の声のような音は
作るのに苦労した。


007: 706Field

子供の頃、大倉山<神奈川県>という場所に
少しだけ住んでいて、駅前の坂を登った所に大倉山公園という
公園がありそこで何回かだけだと思うけど、
兄とキャッチボールをした。何故か僕はそのことをよく憶えている。
だから曲にした。

サビに出てくるガットギターは兄自身によるもので、
音による久々のキャッチボールという意味も込めて、
彼がリリースしているAlbumからサンプリングした。
<兄はニューヨークでフォルクローレのミュージシャンとして活動している。>

ちなみにその公園のある番地が706。
008: Aile Alegria <2001 LAVA remix>
   feat.Jeanne Bastos


井の頭線で降って来たものを形にすべく、
急いで知り会ったばかりの
ジャニとオ−ストラリア人のピアニストショ−ン. マッケンジーを
自宅に呼び一緒にDemoを作った。

その時のテイクが僕は気に入り、
スタジオで録音された新しい素材をMIXして、
ひとつの作品として作り直した。レコーディングが終了した後、
ジャニとショーンはオーストラリアで結婚した。
もーすぐ子供も生まれる。Alegria!


009: Dance In The Wind feat.Jerome"Jerry" Preston

ジェリーの歌を初めて聞いたのは晴海にあるレストランだった。
僕は彼の声が気に入り、すぐに声をかけ<得意技>
気が付いたら彼はスタジオのブースで僕と一緒に
ヘッドホンを付けて歌っていた。

最初のDemo Trackでは仮歌は僕が入れていた。
なんともヘコタレた感じがしていたが、
ジェリーが歌ったらこーなった。歌はTrackに
ものすごい勢いで力を与える。
世の中にはみんなの知らない一流の人達がたくさんいる。
目に見えているものだけが全てではない。
歌詞はフライングエンジェルのTKさんが手伝ってくれた。

ありがとう。
010: Beach

パソコン相手にあーじゃこーじゃ作っていると、
時に頭がヘンになり突然わけの分からない方向に爆走する。

"Beach"は完成と同時に全てのデータが
私自身によって捨てられ、消えた。
頭をかきむしり絶叫する中、果たしてもう1度同じものを
作るべきか、全く違うアプローチの"Beach"を作るべきか、
とてつもないCPUで脳ミソが大回転している中、
何かにとりつかれたように出来上がった。

ゆえにそのプロセスは今まったく記憶にない。
憶えているのは2年ぐらい前に盗み録り(!)しておいた
コスマスのコンガをえんえんと組み直していたことと、
"バックアップ"という言葉が部屋中をグルグルと回っていたこと。


Cafe & 雑貨Albumから数えると、この制作は約8ヶ月の時間がかかっています。
一度完成したものを壊すことは失うものも大きいけど、僕はその何十倍もの" 充実"を手にいれることが出来ました。

このAlbumは、たくさんの才能を持った素晴らしい協力者達によって支えられています。
いいものを作りたいという一途なエネルギーが、音楽やリズムと合体して"溶岩"になり
世界中へ流れていく気がします。参加して下さった皆様、本当にありがとうございます。

そしてまた一緒に出かけましょう。

Increase PEACE!・・・・・・・・・・・・・LAVA